抄録
洞不全症候群(SSS)連続30例(65.7±10.0<SD>歳)において、disopyramide phosphate(DP)静注(2mg/kg, ≦100mg)を併用したover-drive suppression test(ODST)の有用性について検討した。SSS30例中13例43%ではODSTは陰性であった。これらの症例で、DP静注後sinus node recovery time(SNRT)は1590±300msより3020±1110ms(p<0.01)に、corrected sinus node recovery time(CSNIRT)は510±180msより1970±1160ms(p<0.01)となり、13例中10例77%で陽性となった。全体として、DP静注の併用により、30例中27例90%で陽性となり陽性率が改善した(p<0.01)。一方、洞機能正常11例ではDP静注後全例でODST陰性であった(SNRT:1370±390msより990±310ms, SNRT: 390±260msより250±130ms)。DP静注により心拍数、血圧に有意な変化はなく、DPの血中濃度は4.1±1.0mcg/mlで、major side effectは認められなかった。DP静注を併用したODSTの有用性が示された。