人工臓器
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ジェットベンチレータを用いた人工肺ガス交換能の検討
酒井 裕紀仲田 昌司村田 眞司武内 俊史
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1994 年 23 巻 1 号 p. 224-227

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抄録
膜型人工肺の長期使用時には, 多孔質膜に血漿蛋白の付着および血漿成分の漏出に起因する人工肺のガス交換能の低下を生ずることは本邦でも報告されている。
私達の施設においても同様なガス交換能低下を経験し, その原因であるWET LUNGを防止する目的で, ガスブレンダーおよびガス流量計の代わりにHFJV(High Freqency Jet Ventilator)を使用して, 基礎実験を行なった。定常流のコントロール群に比較して, 送気回数200~400回/minに酸素化の有意な上昇を認めた。その後, 臨床にも使用し長時間体外循環時(182時間)においても人工肺を交換することなくPaO2204.30±51.88mmHg, PaCO244.72±3.50mmHgと良好な血液ガス分圧を維持し得た。臨床使用は未だ1症例に過ぎないが, HFJVを使用する事により, 人工肺のWET LUNGによるガス交換能低下を防止できると考える。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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