人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
人工心肺下開心術後の凝固線溶系の変動
大場 淳一椎谷 紀彦松居 喜郎合田 俊宏佐久間 まこと安田 慶秀
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 23 巻 1 号 p. 243-246

詳細
抄録
人工心肺下に行われた開心術後の凝固線溶系の変動を、分子マーカーを用いて検討した。また、メシル酸ナファモスタット(MN)の術後投与がその変動を抑制するか否かを検討した。対象は当科で開心術を受けた19例である。これを2群に分け、C群(コントロール群)、MN群(MN投与群)とした。MN群では、術後ICUに入室した時点からMNを0.05mg/Kg/hrで2日間投与した。術前および術後1、2、3および7日目に採血し、血中のフィブリノーゲン(FIB)、アンチトロンビンIII(ATIII)、トロンビン・アンチトロンビンIII複合体(TAT)、FDP、DDダイマー(DD)、プラスミノーゲン(PLG)、α2プラスミンインヒビター(α2PI)、プラスミン・α2プラスミンインビター複合体(PIC)を測定した。(1)術後7日目までは凝固、線溶とも亢進状態が遷延している。(2)MNのこの量での術後投与は効果が不十分であった。と結論した。
著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top