人工臓器
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新しい膜型人工肺(CAPIOX SX)の臨床経験
―積層型膜型肺(CML EXCEL)との比較検討―
渋谷 益宏西田 博八田 光弘北村 昌也大塚 吾郎野地 智鈴木 進遠藤 真弘橋本 明政小柳 仁
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1994 年 23 巻 1 号 p. 251-254

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抄録
新しい外部灌流式膜型人工肺(CAPIOX SX: テルモ社)は多孔質中空糸が束状ストレート構造を呈し血流の乱れが少ないのが特徴である。本研究では単純冠動脈バイパス術6例(CS群)に臨床使用、し本人工肺の性能を検討すると共に、外部灌流式積層型膜型肺(CML EXCEL: COBE)を使用した11例(CE群)と血小板数変化率及び溶血指数(遊離Hb濃度/循環時間)について比較検討した。CAPIOXSXのガス交換能、熱交換能は臨床使用に関し問題はなかった。また操作性では流量4l/分の時ダイナミックプライミングボリュームが20mlと少なく安定したリザーバーレベルが得られた。血小板数変化率は体外循環終了時でCS群198.7±21.2%、CE群: 94.6±18%とCS群が良好であったが有意差はなく、溶血指数はCS群: 13±36mg/dl/hr, CE群: 21.1±9mg/dl/hrとCS群が有意に低かった(P=0.07)。これは構造上CAPIOX SX肺の方が肺内の血流がスムーズであることが関与していると考えられた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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