人工臓器
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動脈血ケトン体比を用いた開心術体外循環開始時の肝循環動態評価
大野 穣小田 勝志西源 利治広瀬 邦彦小越 章平
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1994 年 23 巻 1 号 p. 263-265

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抄録
大野 穣, 小田 勝志, 西源 利治*, 広瀬 邦彦, 小越 章平
開心術時の体外循環中の肝循環動態評価のため動脈血ケトン体比(AKBR)の測定をおこなった. 臨床例33例による検討ではAKBRは体外循環開始直後から低下を始め開始後10分まで低下を続けるが15分からは上昇を始め, 開始後90分には開始前の値との問に有意差を認めなかった. 体外循環開始時にはinitial dropが認められAKBRの低下に関係があると思われた. 雑種成犬16頭による検討では体外循環開始時に門脈血流量の低下を認め, 肝血流低下によりAKBRが低下を来すと考えられた. 以上の事より体外循環開始時には肝臓は虚血状態となっていると考えられた. またAKBRは体外循環中の肝循環動態の指標として有用と思われた.
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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