人工臓器
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シリコン中空糸製膜型人工肺の使用経験
―術中、術後の血小板数、顆粒球および呼吸循環動態についての検討―
単野 顕夫久冨 光一為広 一仁大橋 昌敬田山 栄基福永 周司押領司 篤茂磯村 正青柳 成明小須賀 健一大石 喜六
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1994 年 23 巻 1 号 p. 346-349

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抄録
血液適合性に優れているシリコンを中空糸の素材としたシリコン中空糸製膜型肺(I群、9例)と従来のポリプロピレン申空糸製膜型肺(II群、11例)を開心術に使用し、術中、術後の血小板数(PLT)、顆粒球エラスターゼ(PMNE)、α1-アンチトリプシン(α1-AT)の変動に加え、術後の呼吸循環動態を検討した。その結果、PLTはI群が高値を示し、プロタミン投与後I群7.38±3.15、II群4.14±3.45×104/mm3と統計学的有意差を認めた。PMNEは術中、術後1日霞もI群が低値を示したが、統計学的有意差は認められなかった。α1-ATはI群が統計学的有意に高値を示した。さらに、観察室収容後6、12、24時間後にPaO2/FiO2がI群で統計学的有意に高値を示し、カテコラミン使用日数がI群1.8±1.3、II群2.6±2.0日とI群のほうが短かった。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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