1994 年 23 巻 3 号 p. 564-570
抗血栓性材料のin vitro評価法として、蛍光顕微鏡、ビデオ、パラレル・プレート・フロー・チャンバーから成るEpifluorescent Video Microscopy(EVM)を用いたリアルタイム評価法を検討した。比較的表面特性の類似した2種類のセグメント化ポリエーテルポリウレタンPU-PTMG(650)およびPb-PTMG(2000)をスライドグラスにコートし、フロー・チャンバーに装着した。蛍光色素で標識した血小板を含む血液をシリンジポンプにより壁ずり速度200sec-1で20分流し、1分毎に血小板粘着量を測定した。PU-PTMG(650)にはPU-PTNG(2000)より有意に多く血小板が粘着した。またPU-PTMG(650)は血小板のβ-TG放出を、PU-PTMG(2000)は補体活性化を促進する傾向を示した。比較的表面特性の類似した2種類の材料間で抗血栓性に差が認められたことから、本EVM装置がin vitroでの抗血栓性材料評価法として有用であることを確認した。