スポーツパフォーマンス研究
Online ISSN : 2187-1787
スマートフォン・アプリケーションを用いた体幹自動回旋可動域測定の信頼性と胸腰部柔軟性との関係
中谷 敏昭 金子 竜大
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2024 年 16 巻 p. 18-25

詳細
抄録

体幹の回旋動作はパフォーマンス発揮に重要な役割を担い,バットやラケットのスイング,投球動作における体幹と上肢の運動連鎖に重要である.本研究では,スマートフォンと追加インストールしたアプリケーション(Angle Meter)を用いて,体幹自動回旋可動域測定の信頼性と胸腰部柔軟性との関係を検討した.対象者は健康な男子学生60 名であった.体幹回旋の可動域(ROM)は,椅座位姿勢で左右に自動回旋させた際の角度をAngle Meter で測定した.信頼性は7 日の間隔をおいて2 回測定し,有意差と級内相関係数,系統誤差を検証した.胸腰部の側屈はAngle Meter を用いて左右の角度を計測し,屈曲は長座体前屈,伸展は伏臥上体そらしの距離を測定した.その結果,椅座位での体幹回旋ROM 測定の再テスト結果に有意差はなく,級内相関係数も0.881 と良好であった.加算および比例誤差も認められなかった.このことから,Angle Meter を用いた椅座位における体幹回旋ROM 測定は有用なテストである.また,体幹回旋ROM と胸腰部屈曲は弱い相関関係を示したが,側屈と伸展に相関関係はなかった.以上のことから,椅座位におけるAngle Meter を用いた体幹自動回旋ROM 測定は有用なテストであり,胸腰部柔軟性との関係は限定的であった.

著者関連情報
© 2024 日本スポーツパフォーマンス学会
前の記事 次の記事
feedback
Top