人工臓器
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広背筋を利用したExtraaortic Counterpulsation(EACP)の血行動態に対する効果
―unconditioned muscleによる急性動物実,験での検討―
杉田 洋一岡村 吉隆望月 吉彦森 秀曉嶋田 晃一郎
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1994 年 23 巻 3 号 p. 889-893

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抄録
広背筋を利用したExtraaortic Counterpulsation(EACP)の血行動態に対する効果をunconditioned muscleによる急性動物実験にて検討した。雑種成犬8頭の左広背筋を剥離後、ポリエチレン製の50ccのバルーンに2重に密に巻き付け固定しEACP回路を作成した。広背筋を心電図に向期させてburst刺激し、counterpulsationの効果を検討した。その結果、冠動脈血流量は0.98±0.05ml/min/kgから1.17±0.06ml/min/kgと19%有意に(P<0.01)増加し、大動脈拡張期圧は75±8mmHgから104±5mmHgと39%有意に(P<0.01)増加し、左室収縮期圧は103±6mmHgから88±7mmHgと15%有意に(P<0.01)低下した。以上より広背筋を利用したEACPは,通常のIABPとほぼ同様のdiastolic augmentationとsystolic unloadingの効果を有する事が確認できた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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