人工臓器
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新しいゼラチン系接着剤の止血効果の検討
清谷 哲也大谷 友人田畑 泰彦筏 義人北河 康之中村 達雄清水 慶彦
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1995 年 24 巻 1 号 p. 111-114

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抄録
われわれは、ゼラチンを用いた新しい生体接着剤を開発し、その止血効果を動物実験にてフィブリン糊と比較検討した。6頭の成犬を用いて脾臓を穿刺し、出血部を作成した。間欠的あるいは少量の持続的な出血があるのを確認し、穿刺一分後に本接着剤あるいはフィブリン糊にて止血し、その後、6分間の出血量を測定した。実験終了時に接着剤を剥離し、再出血の有無を観察した。経時的な出血量、総出血量、止血成功率、剥離後の再出血率において本接着剤のほうがフィブリン糊よりも良好な結果を示した。以上の実験により、本ゼラチン系接着剤はフィブリン糊よりも良好な止血効果を示すと結論した。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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