人工臓器
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ポリアミングラフト共重合体表面上における血管内皮細胞の培養評価:吸着フィプロネクチン、ビトロネクチンが培養に与える影響及び役割の解析
平 光片岡 一則鶴田 禎二林 正男
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1995 年 24 巻 1 号 p. 42-47

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抄録
内皮細胞の培養基材としてポリアミングラフト共重合体を、タンパク質吸着と関連づけて詳細に検討した。この共重合体表面上にウシ胎児血清(FCS)から吸着するフィプロネクチン(FN)、ビトロネクチン(VN)の吸着量を酵素免疫測定法(EHSA法)により定量したところ、コポリマー中のアミノ基含量の増加に従いFN、VNの吸着量が増加した。またFN、梱のVroman効果を評価したところ、FNにはVroman効果が現れ、時間経過に従い吸着量が減少したが、コポリマー中のアミノ基含量の増加に従いFNの脱着・交換は抑制され、コポリマーとFNの相互作用が強くなっていることが示唆された。さらにこのVroman効果の結果をもとにコポリマー表面上にFCSをプレコートし、そのプレコート時間を変化させ、内皮細胞の接着率、伸展率を評価したところ、このコポリマー上での内皮細胞の接着にはFNが、伸展にはVNがより効いていることが示唆された。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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