重症心不全に対する循環補助手段として補助人工心臓の開発・臨床応用が注目されている。我々は、これまで独自の技術により純国産型のボール弁を内蔵したパーツ化空気圧駆動タイプ人工心臓TH-7を開発してきた。本研究においては、成山羊による尾期慢性実験と臨床応用例により純国産型人工心臓TH-7の有用性について検討を行った。十頭の山羊を用いた慢性実験では十分な抗血栓性・耐久性が確認され、新規開発の外装型超音皮血流計とあわせて良好な成績が確認された。また、関連病院において行われた臨床治験では十分な循環補助効果が得られVADからの離脱に成功した。純国産化により飛躍的な低廉化を果たしたことをあわせて、TH-7型人工心臓は非常に有用な補助循環装置として期待されうるものと
考えられる。