人工臓器
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急性心筋梗塞による心原性ショックモデルに対するIABP併用左心バイパス法の効果
―自己心および冠血行動態に対する影響―
秦 光賢長谷川 隆光進藤 正二塩野 元美秋山 謙次折月 由紀彦畑 博明八木 進也塚本 三重生奥村 晴彦三室 治久中田 金一瀬在 明山田 英明瀬在 幸安斉藤 敏三
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1995 年 24 巻 2 号 p. 314-318

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抄録

開心術後心不全や人工心肺離脱困難例に対する従来の補助循環法である大動脈内バルーンパンピング(IABP)と遠心ポンプによる左心バイパス法(LHB)の併用は、最も一般的でありその効果は臨床的に確立されているが、冠血行動態に与える影響については未解決な部分も多い。そこで我々は、ブタ心筋梗塞モデルを作成し、IABPとLHB併用時の冠血行動態と心筋虚血領域の変化につき、それぞれの単独使用例と比較し、各補助循環における左冠動脈血流量と流速波形を観察し、経時的に心外膜マッピング心電図により虚血領域の変化を記録した。IABP, LHBの併用により、心筋虚血領域は有意に改善され、優れた冠血流量増加作用を示した。また冠血流量および流速波形における収縮期逆行性成分の減少がみられ、虚血心筋に対する無効な冠灌流を減少させ、理想的な心筋灌流の実現により心筋虚血領域を改善させ得ることが示唆された。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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