1995 年 24 巻 2 号 p. 395-400
両側の広背筋を利用したDouble Dynamic Cardiomyoplastyを開発し、その血行動態に対する効果をunconditioned muscleによる急性動物実験にて検討した。雑種成犬8頭の両側広背筋を剥離後、左右の第2肋骨を切除し心膜を切開後両側の広背筋を心嚢内に挿入した。心臓後面での左右広背筋のtransverse segmentの断端どうしを連続吻合した。次に、左側広背筋を右室自由壁全体に縫着、さらにその上から右側広背筋を左室を覆う形で左側広背筋に縫着した。両側広背筋を心電図に同期させてburst刺激し心臓補助効果を検討した。その結果、左室圧及び大動脈圧は25%有意に(p<0.05)増加し、左室圧dp/dtは28%有意に(p<0.05)増加し、1回心拍出量は33%有意に(p<0.05)増加し、心拍出量は29%有意に(p<0.05)増加した。以上より両側の広背筋を利用したDouble Dynamic Cardiomyoplastyは有効な左心補助効果のある事が確認できた。