人工臓器
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Omnicarbon弁のX線シネ撮影による弁機能評価
梶原 博一平野 克典岩井 芳弘浜田 俊之橋山 直樹佐藤 順
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1995 年 24 巻 2 号 p. 419-422

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抄録
0 mnicarbon弁を用いた僧帽弁置換術22例および大動脈弁置換術24例に対して術直後、術6か月後にX線シネ撮影を施行し、弁機能を評価した。最大弁開放角は僧帽弁位で56.1±10.1度, 49.9±2.4度、大動脈弁位で69.9±10.4度, 63.4±10.4度であった。弁閉鎖制限は1例も認めなかった。僧帽弁位で開放角の低下が認められたが、housingが不明瞭のため誤差が大きいと考えられ、これ以上の検討は不可能と考えられた。大動脈弁位において血流方向に対するoccluderの開放角を測定した。すなわち、術6か月後に施行した心臓カテーテル検査時の肺動脈造影より左室流出路軸を求め、これに直角にhousingが装着されているものと仮定し、弁最大開放角を測定した。18例で測定し、71.0±9.0(48~85)度で、60度以下の症例は1例(5.6%)のみであった。これより大動脈弁位では血流に対して十分に開放しており、これがOmnicarbon弁の良好な臨床成績と―致していると思われた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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