人工臓器
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ECMO A-V Bypass水中保育下の山羊胎児循環におけるPGE1の有用性
―PGE1の動脈管開存の効果
坂田 雅宏久野 克也岡田 昌義安福 正男横山 直樹上谷 良行中村 肇
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1995 年 24 巻 2 号 p. 604-606

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抄録
胎児手術のback-up systemとして可能性を有する胎児ECMOの開発を目的として、山羊胎児水中保育実験を行った(1,2)。今回胎児へのPGEI投与の有効性について検討を加えた。実験対象として在胎120日前後のザーネン種山羊胎児を7頭用いた。PGE1を投与しなかった4例のECMO灌流時間は3時間から70時間(平均43時間)であったが、回路破損により失った1例を除き全例動脈管が閉塞し、胎児循環が維持できず死亡した。2例では動脈管の狭窄時に経右室的にPGE1の間欠投与で、動脈管の軽度の開大を認めた。一方、持続的にPGE1を投与した1例では、動脈管は閉塞せず常に右-左shuntがみられ、92時間の長期灌流が可能となった。このsystemは、臍帯動脈より脱血し臍帯静脈より送血する胎児循環を維持したA-V Bypassのため、動脈管の開存が灌流を行う上で非常に重要である。PGE1の投与によよって動脈管は能動的に拡張し、胎児循環を長時間良好に維持できる可能性が示唆された。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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