人工臓器
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新開発セルロースジアセテート膜透析器H-150Xの臨床評価
佐藤 宜伯森本 嘉純伊藤 克佳西堀 英城雨宮 均奥山 寛小林 力秋澤 忠男出浦 照國
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1995 年 24 巻 3 号 p. 637-642

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抄録
セルロースジアセテート(CA)を膜素材としたAltrex膜は、Duo-fluxに用いられたCA膜の孔半径を50Åから70~80Åに拡大し、膜厚を40μmから30μmに菲薄化している。本膜よりなるH-150X透析器について、溶質除去性能生体適合性をポリスルホン膜透析器(PS-1.6UW)を対照に、長期透析患者6名で4週間のクロスオーバー試験にて検討した。小分子量物質の除去性能に両透析器間で差は認められず、低分子タンパクではβ2-MGのクリアランス、除去率、SCでPS-1.6UWが有意の高値を示した。一方Myo、α1-MGの除去率、SCにおいてはH-150Xで有意の高値を示したが、これら低分子タンパクの透析液中への除去量に両透析器間で差はなかった。UFRの経時的低下はH-150Xで軽度であった。治療中の活性化補体の上昇はH-150Xで高度であったが、白血球、血小板、顆粒球エラスターゼの変動は両透析器間で差は認められなかった。以上よりH-150Xはより分子量の大きい低分子蛋白領域に高い除去性能をもっ透析器といえる。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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