人工臓器
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大孔径膜を用いた血液透析による蛋白結合性尿毒症毒素であるフランカルボン酸の除去
丹羽 利充宮崎 高志前田 憲志
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1995 年 24 巻 3 号 p. 694-696

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抄録
透析患者で著明に血清濃度が増加している3-カルボキシ-4メチル-5-プロピル-2-フランプロピオン酸(CMPF)はアルブミンと強く結合しており、従来の透析膜を用いたHDでは全く除去されず、血中に蓄積することになる。そこで大孔径膜を用いたHDによる血清CMPF濃度への影響を検討した。エリスロポエチンを投与していないHt27%以下の患者で再生セルロース膜を使用していた8例に、大孔径膜(BK-F; 東レ)を用いたHDを4ヵ月間行い、CMPF濃度、貧血に対する影響を検討した。その結果、BK-Fを用いたHDを4ヵ月間行うことにより、血清CMPF濃度は約50%減少した。これは主として、漏出したアルブミンと共にCMPFが除去されたためと考えられた。また、BK-Fを用いたHDにより貧血の改善が認められた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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