人工臓器
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MPC膜被覆フェロセン付加微小針型ブドウ糖センサを組み込んだ携帯型人工膵島の長期臨床応用
西田 健朗榊田 典治一ノ瀬 賢司下田 誠也上村 毅郎梶原 研一郎宮田 高雄七里 元亮石原 一彦中林 宣男
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1995 年 24 巻 3 号 p. 754-759

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抄録
著者らは既に2-metacryloyloxyethyl phosphorylcholine (以下MPC膜)被覆フェロセン付加微小針型ブドウ糖センサが、長期にわたりその機能の安定性、信頼性を保証することができることを既に報告した。今回は本センサを組み込んだ携帯型人工膵島の長期臨床応用を試みた。(日)“みかけ上の”センサ出力は1日目104.0±1.4%、7日目96.7±3.9%と差を認めなかった。回帰検定においても、1日目Y=1.04X+3.6(r=0.99)、7日目Y=0.99X+1.8(r=0.98)と差を認めなかった。7日目以降14日目まで、“みかけ上の”センサ出力の有意な低下を認めたが、一点較正の導入により、14日間にわたる連続計測が可能であった。(月)インスリン治療中の糖尿病患者に本センサを組み込んだ携帯型人工膵島を適用することにより、血糖値の最適制御が可能であった。以上、MPC膜被覆フェロセン付加微小針型ブドウ糖センサは、携帯型人工膵島の長期臨床応用にきわめて有用であることが示された。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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