人工臓器
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自己血輸血としての膜法によるDonor Plasmapheresis
―活性化補体, ブラジキニンの検討―
小野 裕逸百川 健鈴木 宗平鯉江 久昭
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1995 年 24 巻 3 号 p. 780-783

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抄録
自己血輸血に供するため, 膜型血漿分離器を用いた自己血漿貯血(DP)を12例に行った。separatorとしてポリスルフオン膜を用い, 抗凝固剤としてヘパリンを用いた7例(H群)とメシル酸ナフアモスタットを用いた5例(NM群)についてDP施行中の活性化補体・ブラジキニン(BK)産生について検討した。両群ともC3a・C5aの活性化を認めたが, NM群において顕著であった。C4aはほぼ変化がなく, この補体活性化はalternative pathwayを介するものといえた。BK産生に関しては両群とも異常高値を示すことはなかったが, NM群では前値より低値となった。NM単独では補体活性は高度であるが, BK産生を減少させる可能性もあり, donorであり受血者でもある患者の安全性を考慮すれば, 抗凝固剤としてヘパリンとNMの併用も有用ではないかと思われた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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