人工臓器
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慢性関節リウマチ患者におけるリンパ球除去療法による血液および血漿粘度の変化―二重膜濾過法との比較―
金井 美紀山路 健津田 裕士
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1995 年 24 巻 3 号 p. 775-779

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抄録
慢性関節リウマチ患者5例に対し二重膜濾過血漿交換療法(以下DFPP)とリンパ球除去療法(以下LCP)を試み、血液および血漿粘度の変化を検討した。LCPは白血球除去フィルター(セルソーバ、旭メディカル社製)を用いた方法および自動連続遠心式細胞分離器(スペクトラ、COBE社製)を用いた遠心法を行い、血液および血漿粘度は円錐-平板型回転粘度計(Brookfield社製)、微量毛細管粘度計(磯貝式)で測定した。DFPPでは治療前後の血液粘度に有意な変化は認めず、血漿粘度は有意な低下を認めた。セルソーバによるLCPでは前後で血液粘度の低下傾向を認め、血漿粘度は逆に上昇した。スペクトラによるLCPでは血液粘度の低下傾向が認められ、血漿粘度には変化が認められなかった。血液および血漿粘度を低下させることが治療の目的であるとするとDFPPおよびLCPの併用療法の試みが考えられた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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