抄録
血液透析装置の配管系の洗浄消毒に電解強酸性水を平成6年11月から平成7年8月迄、約10ケ月間に亘って、従来の洗浄消毒剤である次亜塩素酸Na、酢酸、ホルマリン、との比較を行った。その結果殺菌効果とそれにともなうエンドトキシンの減少が認められ、また即効性で効果も高い結果を得た。加えて電解強酸性水は安全で取扱いが容易であった。水洗・洗浄消毒時間の短縮も可能で水の節約となり、他の洗浄消毒薬なども不必要となるため経済的である。また炭酸塩の析出に対する予防的効果及び除去も可能であった。塩素ガスなどによる腐食の影響も特にみられていない。従って血液透析装置の配管系への洗浄消毒は従来の薬剤方法に比べ種々の点で優れていた。また電解強酸性水の特性から、血液透析装置における配管系及び各種タンクなどの洗浄消毒が広範囲に簡便に行え、これを自動システム化する事により透析液の清浄化がより高いレベルで実現できる。