人工臓器
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心室内軸流ポンプJarvik 2000の慢性動物実験における検討
穴井 博文Robert JARVIKMichael P. MACRISJohn L. ROBINSONSteven M. PARNISJeff L. CONGERMichael J. CLOYTim J. MYERSJohn M. FUQUAO. H. FRAZIER
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1996 年 25 巻 3 号 p. 582-585

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抄録
心室内軸流ポンプJarvik 2000の慢性動物実験における評価を行った。牛7頭に左開胸下で, 体外循環は用いずに左室心尖-下行大動脈間にポンプを装着した。6頭で63日から162日(平均110日)の長期生存が得られた。1頭は74日で現在進行中である。実験終了の理由は, 駆動ラインの断線1例, ポンプ内の血栓によるポンプの停止1例, インペラとケーシングの摩擦によるポンプの停止3例およびグラフの血栓による閉塞1例であった。血漿遊離ヘモグロビンを含め, 血球計算およびその他の生化学データは正常値で経過した。剖検時所見では心室内心筋の損傷の所見はなく, 腎臓や各臓器には5ヵ月以上経過した例でも血栓による梗塞の所見は認められなかった。心室内軸流ポンプJarvik-2000を用いた慢性動物実験において, 良好な結果が得られた。Javik 2000は, 体内収納型長期補助人工心臓として有望であり, 近い将来, 米国で臨床使用される見込みである。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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