人工臓器
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大動脈弁患者の体格と人工弁サイズ
河内 寛治水口 一三川田 哲嗣小林 修一浜田 良宏庭屋 和夫長谷川 順一北村 惣一郎
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1996 年 25 巻 3 号 p. 586-589

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抄録
大動脈領域における人工弁の各サイズの弁機能に検討を加え、体表面積(BSA)と左室-大動脈圧較差(△P)との関係を求めた。SJM弁11例及びBicer弁17例を対象とした。使用弁サイズはSJM弁で21mm弁3例、23mm弁6例、25mm弁2例でBicer弁では各々5、7、5例であった。術後遠隔期に安静(R)及び運動負荷(Ex)時に心内圧及び心拍出量を測定し、△Pを求めた。Gorlinの式から有効弁口面積を計算し、Gorlinの式を展開して種々のBSAでの△Pを算出した。BSAと△Pの関係を求めると狭少弁の21mm SJMではBSA 2.0m22△PはR時9mmHg, Ex時19mmHgとなった。△P=20mmHgになるBSAは2.04m2となり、BSA 2.0m2以下であれば問題が無いものと考えられた。21mm Bicer弁ではBSA 2.0m2の時の△PはR時14mmHg, Ex時19mmHgとなり、△P=20mmHgになるBSAは2.03m2が得られた。BSA2.0m2以下であれば21mm弁以上の弁であれば問題のないことを示した.
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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