歯科材料・器械
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原著
光重合型MMA-PMMA系義歯床用レジンに関する基礎的研究 : シクロホスファゼンオリゴマーの配合量が物性に及ぼす影響
[セ]見 精介
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1995 年 14 巻 1 号 p. 17-23

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抄録
本研究は, 光重合型義歯床用レジンの改良に関するもので, その要旨は, シクロホスファゼンオリゴマーをMMAに配合してモノマーを調整し, オリゴマーの配合量と重合体の物性について検討したものである.実験の結果以下のようなことが明らかとなった.1.圧縮耐力は, 配合量が増加しても変化が認められなかった.2.曲げ強さは, 配合量が10〜20wt%で, dryでは120〜123MPa, wetでは117〜119MPaを示したが, 30%以上で下降した.曲げ弾性率は, 配合量が増加するにつれて徐々に上昇する傾向を示し, たわみは, 配合量が30%以上で大きく下降した.3.硬さは, 配合量が増加するにつれて徐々に上昇する傾向を示した.4.吸水量は, 配合量が増加するにつれて, 徐々に上昇したが, 溶解量には変化が認められなかった.5.摩耗比は, 配合量が増加するにつれて徐々に下降する傾向を示した.6.上記の諸性質が良好で, とくに, 曲げ強さおよび硬さの大きいシクロホスファゼンオリゴマーの配合量は10〜20wt%配合した場合であった.
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© 1995 一般社団法人 日本歯科理工学会
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