人工臓器
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人工心肺送血ポンプと血液損傷の臨床比較
―遠心ポンプ3種とローラーポンプの比較―
小山 富生山田 哲也栗田 佳代玉木 修治原 修二櫻井 一西澤 孝夫村山 弘臣加藤 紀之村瀬 允也
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1996 年 25 巻 3 号 p. 641-644

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抄録
体外循環中無輸血で経過した成人開心術68例を対象として, 人工心肺の送血ポンプ(遠心ポンプ3機種およびローラーポンプ)が血液有形成分に与える影響を比較した. 使用した遠心ポンプはメドトロニックBP-80(BP群20例), 日機装HPM-15(HP群18例), テルモSP45(SP群24例)の3種で, これらとローラーポンプ(R群6例)を比較した. 麻酔導入後および体外循環中経時的に血清ヘモグロビン(S-Hb), 血小板数(PLT)を測定し, 各々希釈補正の後S-Hb増加量(ΔS-Hb), PLTの変化割合(%PLT)を求め各群間で比較した. ΔS-Hbは開始後120分まで増加するが, 4群とも類似の経時変化を示し, 有意な差はなかった. %PLTは減少傾向は見られたもののばらつきが大きく, 4群間で有意差はなかった. 短時間の成人開心術において, 送血ポンプの違いが溶血に及ぼす影響は小さいものであると考えられた.
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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