人工臓器
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共有結合型ヘパリン被覆を施した小児用膜型人工肺の生体適合性に関する検討
石山 雅邦青木 満今井 康晴高梨 吉則星野 修一瀬尾 和宏寺田 正次長津 正芳杉山 喜崇太田 淳久保 英三浜脇 正好萩野 生男森島 重弘森嶋 克昌
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1996 年 25 巻 3 号 p. 645-648

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抄録
体重5~16kgの小児開心術症例を対象として共有結合型ヘパリン被覆を行った人工肺Carmeda MINIMAX PLUS®及び従来のMINIMAX®をそれぞれ8例に使用し経時的に血小板数、C3a, C5a, ブラジキニンを測定した。その結果共有結合型ヘパリン被覆を行った人工肺を使用ことにより血小板数、C5aの変動には有意差が認められなかったもののC3aの上昇は人工心肺の開始からプロタミン投与後30分に至るまで抑制される傾向を示し(p=0.06)、ブラジキンにおいてはその上昇は有意に抑制された(p=0.03)。今回の検討から膜型人工肺のヘパリン被覆は凝固系接触相を抑制することにより、体重に比して異物接触面積が大きい、全血充填症例が多い、吸引血が多い等の特殊性をもつ小児開心術後の合併症予防にも有用である可性が示唆された。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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