人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
補助人工心臓(VAS)施行症例における人工透析
―より安全かつ効果的な人工透析法の検討―
許 俊鋭朝野 晴彦田邊 大明上田 恵介鈴木 義隆宮本 直政横手 祐二関口 敦見目 恭一尾本 良三
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 26 巻 2 号 p. 354-358

詳細
抄録
VAS治療例で透析施行ユ3例(透析群)と透析非施行6例(対照群)を比較した。1ヶ, 月生存は透析群5例(38%)・対照群3例(50%)、VAS離脱は透析群4例(31%)・対照群1例(17%)、生存退院は透析群2例(15%)・対照群1例(17%)で差はなかった。血液透析(HD)7例、腹膜透析(PD)3例、PDからHDへの移行(PD+HD)は3例で1ヶ月生存はHD例3例(43%)、PD例0例、PD+HD例2例(67%)でこの2例は長期生存した。Cr最高値はPD中7.8±2.3mg/dl、HD中4.9±1.6mg/dlで、透析関連合併症はHD中に3例(43%)に出血傾向、1例(14%)にポンプ感染、PD中に1例(17%)に出血傾向を見た。 (1) 透析群の成績は対照群に比較して遜色はなかった。 (2) PDの透析効率はHDに劣るが、透析関連合併症は少なかった。 (3) 初期にPD、安定期にHDに移行する透析法が望ましい。
著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top