1997 年 26 巻 2 号 p. 465-471
免疫複合体病患者の血液を冷却した際に生じるCryogelの主な組成は、フィブロネクチン(FN)とフィブリノーゲン(Fbg)そしてヘパリン(Hep)であり、特に高率に細胞性EDA(+)FNを含んでいる。EDA(+)FNは、Cryogel形成の要であると考えられる。本研究ではCryogelを構成する物質間の会合体形成挙動を、光の透過率および動的光散乱の測定により検討した。その結果、Fbgの自己会合体とFN-Fbg会合体をHepとEDA(+)FN間の親和力で凝集させる機構でCryogelを成長させることを明らかにした。特に血漿FNとEDA(+)FNとの濃度比率がCryogel形成の重要であることを明らかにした。更に、HepはFbgの自己会合を阻害し、Hep過剰濃度においてはCfyogelは形成されないことも明らかにした。