人工臓器
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ラット反復体外灌流モデルの作成と有用性
田中 三津子川村 明夫玉置 透此枝 義記高橋 昌宏久木田 和丘目黒 順一米川 元樹澤本 雅昭坂下 栄治
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1998 年 27 巻 1 号 p. 109-112

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抄録
臨床に準じたラットの反復体外灌流モデルとして, silastic tubeとpolypropylene connectorを用いて頚部に右総頚動脈から左外頚静脈に流入する外シャントを作成した。シャント流量は15-20ml/minで, 外シャント作成による血液凝固系への影響はみられなかった。外シャントの開存日数は, コネクターを装着しない場合は平均5.75日, 最長9日であったが, コネクターを接続した場合はヘパリンを毎日投与したにもかかわらず平均3.60日に短縮され, その原因としてコネクター接続部分の血栓形成が考えられた。3回の反復体外灌流を行った群では平均7.50日, 最長10日であった。silastic tubeは柔軟性に富み溌水性が高く外シャントチューブとして適していると考えられたが, さらに長期間の開存を得るために抗凝固剤の使用方法, 材料の抗血栓性, とくにコネクターの形状, 材質を改良することが最も重要であると考えられた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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