人工臓器
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生体エネルギーを利用した超小形可変容量型静電発電機の理論的, 基礎的検討
壁井 信之田代 良一土屋 喜一坪井 文則石塚 宣三片山 國正
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1998 年 27 巻 1 号 p. 103-108

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抄録
生体の運動を一次エネルギー源とし, 直線運動で発電できる超小形可変容量型静電発電機を提案し, その可能性を検討した. 発電機構の中心となる可変容量型コンデンサとしてハニカム型を採用し, 静電容量の異なる三種類の可変コンデンサA, B, Cを試作した. Aは3.0~9.3nF, Bは3.5~10.8nF, Cは75~240nFの問で容量を変化させることができる. AとBは静電容量はほぼ同じであるが, 蒸着フィルムの積層方式が異なっている. 実験の結果コンデンサAの発電量は測定不能であったが, コンデンサBでは初期電荷を6Vで供給した場合で8μJ/cycleの値が得られた. さらにコンデンサCでは, 初期電荷を6Vで供給した場合には70μJ/cycleのエネルギーを発生した. コンデンサCを1Hz以上で動作させれば, ペースメーカに十分な電力を安定して供給できることから, この方式の実用化の可能性があることが分かった.
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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