人工臓器
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機械式人工弁における開放特性のディスク形状による比較検討
藤本 哲男真木 康隆白石 泰之梅津 光生苗村 潔阿久津 敏乃介
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1998 年 27 巻 1 号 p. 158-163

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抄録
機械式心臓代用弁の開放期の動特性を検討した. 前年度までには傾斜型単葉ディスク弁Björk-Shiley Monostrut (φ23)を研究対象として, その開放過程における動特性を検討し開放開始初期0~20[msec]における同部位の流速が開放期の動特性に影響することが認められ報告してきた. 本論文では, さらにディスクの形状の異なる2種の機械式人工弁Björk-Shiley Spherical (φ23)およびSt. Vincent (φ23)を試験対象に加えて, それらの開放特性を比較検討した. これらの人工弁を模擬回路内の僧帽弁位に設置し人工弁の開放過程におけるディスク角度を高速ビデオカメラを用いて500[frame/sec]にて測定した. その結果, 開放初期において各弁の抗力が大きく, 抗力係数は104程度に達していることが推定された. またディスク形状により流体から受ける回転モーメントが異なることが判明し, 本法は人工弁の性能評価および設計に有用であることが示唆された.
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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