抄録
stentless人工生体弁による人工弁置換術時予想される軽度逆流存在時の対策を検討した. ブタより摘出した上行大動脈15個を用い, 大動脈側から100mmHgの圧負荷をかけ逆流量を計測した. 大動脈弁1尖に5mm程度の切開を加えた逆流モデルでは損傷弁弁腹拡大でcoaptation zoneは拡大せず, むしろ逆流が増加した. 弁輪縫縮により全例で逆流は消失し, この時の弁輪径は15.7±1.8mmで, 30.7±6.9%の縫縮率であった. valsalva洞3箇所のパッチによるST junction (STJ)拡大モデルの弁輪径は21.7±0.7mm, STJは35.9±2.2mmであった. STJ拡大により中心性の逆流をみとめ54±18mL/minの逆流量が得られた. STJを縫縮すると全例で逆流は消失した. この時のSTJは29.6±1.4mmで, 22.0±6.0%の縫縮率であった. Homograftに近い性状の人工生体弁を使用する際に, 種々の理由で軽度逆流が残存した際は, 原因により弁輪縫縮, STJ縫縮が有効である.