人工臓器
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血液透析用バルーン付きダブルルーメンカテーテルの長所と短所
久木 田和丘小山 内誠安原 満夫内藤 昌明高橋 禎人田中 三津子高橋 昌宏玉置 透目黒 順一米川 元樹川村 明夫
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1998 年 27 巻 1 号 p. 202-205

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抄録
ダブルルーメンカテーテル留置後のトラブルの一つとして"へばりつき現象"が挙げられる。このトラブル防止を目的として動静脈孔の中間に2mlのバルーンを有するカテーテルが開発された。このカテーテルを15例に10日~28日間使用し、トラブルの発生状況を検討した。血液透析時バルーンを拡張、非透析時縮小した12例では、1例に刺入部の発赤、2例に血栓がみられたが、残り9例においては"へばりつき現象"を含めたトラブルの発生を認めなかった。血液透析時にもバルーン拡張を行わなかった3例中1例に"へばりつき現象"と考えられる血流低下がみられ、バルーン拡張を行うことにより、充分な血流量が得られた。以上より、バルー・シ付きダブルルーメンカテーテルにおいては感染、血栓等のトラブルは残るものの、"へばりつき現象"は回避できるものと考えられた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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