人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
に用いる経皮エネルギー伝送ユニットの生体適合性及び実用性の評価
―体内埋込時の温度特性とエネルギー伝送効率の検討―
中村 知道増澤 徹遠藤 誠子角田 幸秀巽 英介妙中 義之高野 久輝柴 建次越地 耕二
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 27 巻 2 号 p. 347-351

詳細
抄録
体内完全埋込型全人工心臓用体外結合型経皮エネルギー伝送システム(TETS)の生体適合性を実用化の面からin vitro, in vivo実験にて評価した. in vitro実験では模擬負荷を用いて約24Wの電気エネルギーを伝送し, シリコン封入前後の整流回路の発熱分布特性をそれぞれ空気中で評価した. in vivo実験:では体重44kgの成山羊に体内(2次)コイルと整流回路を埋め込み, 模擬負荷を用い約24Wの電気エネルギーを伝送し, 整流回路の内部及び表面, 体外コイル表面の発熱, エネルギー伝送効率を評価した. また, エネルギー伝送中に時速2km/hのトレッドミル試験を行い, 体動によるエネルギー伝送効率への影響を検討した. その結果, 体内埋込型整流回路に異常な高温部は認められず, 生体組織に対して充分許容範囲内の発熱特性を示した. また, 伝送効率は実験条件によらず80~85%を維持した. 以上の点から, 開発中のTETSは充分な生体適合性および実用性を有することが確認された.
著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事 次の記事
feedback
Top