人工臓器
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体内埋め込みを目指した人工心臓用リチウムイオン二次電池の検討
本田 博幸柴 建次周 英明越地 耕二村井 剛次八名 純三増澤 徹巽 英介妙中 義之高野 久輝
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1998 年 27 巻 2 号 p. 357-362

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抄録
完全埋込型人工心臓用体内バックアップ二次電池としてリチウムイオン二次電池を用いる場合を考え、正極剤および電解液を変化させた4種類のリチウムイオン二次電池の充放電特性を測定し、比較検討を行った。その結果、正極剤:LiNi0.8Co0.2O2、電解液Bのリチウムイオン二次電池(Ni-B)の充電時間が75.8分と最も短く、放電時の電池表面温度も43.1[℃]と最も小さいことが確認された。また、体内バックアップ二次電池として最も適していると考えられるNi-Bを用いて体内埋込用電池ケースを試作し、体内温度相当の39[℃]一定の恒温水槽内にて電気油圧駆動方式完全埋込型人工心臓を駆動したところ、拍出流量5.8~6.4[:L/min]で60分間駆動することが可能であり、放電終了時のケース表面温度は40.4[℃]であった。このことより、Ni-Bのリチウムイオン二次電池は、体内バックアップ二次電池として十分な性能を有していることが確認された。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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