人工臓器
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輸血用微小凝集塊除去ブイルター(ファインセル: 旭メディカル)を用いた簡便な白血球除去療法
川村 明夫石崎 彰高橋 禎人玉置 透高橋 昌宏目黒 順一久木 田和丘米川 元樹竹中 良則
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1998 年 27 巻 2 号 p. 466-468

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抄録
リンパ球除去による体外免疫調節はステロイド抵抗性や難治性の免疫関連疾患に有効である。しかし、操作が簡単ではなく、一般的に適用されにくい。そこで、我々は不織ポリエステルを吸着材料にした輸血用凝集塊除去フィルター(ファインセル)を利用してリンパ球除去をこころみた。被験者は成人健康男子6人である。3人には動脈。静脈(AV式)、ポンプ無し体外循環を、他の3人には静脈。静脈(VV式)、バッグ貯留式吸着を行った。リンパ球はAV式では30から50%、VV式では30から70%除去された。T-cell、B-cellも30から70%除去された。活性化T-cellも40から60%除去された。赤血球の減少は認めず、両者ともに安全性に問題はなかった。しかし、効率、安定性にVV式は優れ、吸着操作を行うアフェレシスではこの方法が今後検討されるべきである。ファインセルを用いたバッグ貯留式リンパ球除去は免疫関連疾患の治療に非常に有用である。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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