抄録
現在、臨床で使用されている素材の異なる血液透析用の中空糸膜における高反応性物質(活性種)の消去活性について検討した。すなわち、セルロース、セルローストリアセテート、ビタミンE改質セルロース、ポリスルホン、エチレン/ビニルアルコール系共重合体(エバール)の5種類の中空糸膜をそれぞ禅独に蒸留水中に浸漬し、レドックス系触媒(過硫酸カリウム/酸性亜硫酸ナトリウム)を添加した。所定時間毎に試料溶液を採取し、既知濃度のアスコルビン酸(A. A)水溶液に添加して、A. Aの紫外部吸収スペクトルの極大吸収波長位置(250nm)の吸光度を測定した. それによると膜素材によってレドックス触媒系から生成した活性種の消去能に差のあることが認められた。通常、水溶液中の活性種は極低濃度であり、その消去能の測定には特殊な装置が必要であるが、本研究で容易に測定可能の方法を確立した。