抄録
ビタミンE固着型ダイアライザーは抗酸化作用から動脈硬化抑制作用が期待されるが、その臨床効果は不明である。血液透析患者64名の酸化LDLをOx-LDL(ELISA)で測定した。Ox-LDLは透析により著明に上昇し、動脈硬化性疾患の合併率がその上昇率と相関がみられた。
そこで上昇率140%以上の13例を選んでビタミンE固着型ダイアライザー(CL-EE)を3ヶ月間使用した。その結果Ox-LDLの透析中の上昇率および透析後値の有意の下降がみられた。
以上の結果から本ダイアライザー適応の指標の一つとして透析中のOx-LDL上昇率が考えられ、動脈硬化の抑制が期待される。