人工臓器
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透析患者の酸化LDL動態からみたビタミンE固定化再生セルロース膜(CL-EE)の性能評価について
福田 康彦大段 秀樹大城 良雄田中 一誠
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1998 年 27 巻 2 号 p. 480-483

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抄録
ビタミンE固着型ダイアライザーは抗酸化作用から動脈硬化抑制作用が期待されるが、その臨床効果は不明である。血液透析患者64名の酸化LDLをOx-LDL(ELISA)で測定した。Ox-LDLは透析により著明に上昇し、動脈硬化性疾患の合併率がその上昇率と相関がみられた。
そこで上昇率140%以上の13例を選んでビタミンE固着型ダイアライザー(CL-EE)を3ヶ月間使用した。その結果Ox-LDLの透析中の上昇率および透析後値の有意の下降がみられた。
以上の結果から本ダイアライザー適応の指標の一つとして透析中のOx-LDL上昇率が考えられ、動脈硬化の抑制が期待される。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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