人工臓器
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日本発の完全埋込型人工心臓:現況とその近未来
三田村 好矩
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1998 年 27 巻 2 号 p. 555-560

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抄録

日本発のアイデアに基づく完全埋込型人工心臓システムの多くの研究、開発が行われている. すなわち、拍動性ポンプでは摩擦ポンプを使用する電気流体式全人工心臓、新しい波動ポンプを使用する電気機械式全人工心臓、リニアモーター式全人工心臓、ボールネジを使用する電気機械式補助心臓がある. また定常流ポンプとしては、磁気浮上式遠心ポンプ、1個のピポットのみをもつ磁気浮上遠心性ポンプ、心臓など血管系内に植え込まれる軸流ポンプ、振動流ポンプがある. また経皮的エネルギー情報伝送システムとしては、強磁性材料を使用する経皮トランス、赤外光による情報通信がある. これらを使用した動物実験でも全人工心臓で10日間、定常流補助人工心臓で537日の優れた成績が得られている. 日本発の完全埋込み型人工心臓の開発は可能といえる.

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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