人工臓器
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高吸収性ポリマーを用いた腸管内水分吸収の基礎的検討
小山内 誠米川 元樹川村 明夫田中 三津子此枝 義記久木田 和丘目黒 順一玉置 透
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1999 年 28 巻 1 号 p. 246-249

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抄録

腎不全患者では, 体液に移行した水分は透析などで除く以外に方法はない. そこで, 経口摂取した水分が腸管から吸収される前に高吸収性ポリマーで吸収し, 循環系へ入る水分量を抑制する方法を考案した. 今回, 各種ポリマーを用いた消化管内水分吸水能についての基礎的検討を行なった. ポリマーは, ポリアクリル酸Na (PA-Na), ポリアクリル酸Ca (PA-Na), 粒径の異なるN-ビニルアセトアミド (PNVA-1, PNVA-2) の4種類を作製し, 水, 生理食塩水, 人工胃液, 人工腸液を用いて吸水能を測定した. PA-Na1gに対する吸水量は水640m1/gと最も多く, PA-Caが2ml/gと最も少なく, PNVA4, 2はその中間の吸水力であり, これら各種ポリマーの吸水量は液の性状, pHなどにより大きな差が見られた. また, ヒト腸液を用いた検討でも吸水性に関し同様の結果が得られた. 吸水前後における組成分析では, 吸水後, PA1NaでNaの, PA-CaでCaの有意な増加がみられたが, PNVA-1, および2では, 有意な変化を認めなかった. 今回の検討から, 吸水材は十分に臨床応用可能と思われ, 特に非イオン型ポリマーであるPNVAの有用性が示唆された.

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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