人工臓器
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遠心ポンプによる, 左室脱血左室補助の有用性 (左房脱血との比較)
河野 智西村 和修仁科 健大野 暢久米田 正始赤松 映明
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1999 年 28 巻 2 号 p. 416-420

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抄録
我々は長期使用を目的とした磁気浮上型遠心ポンプ (MSCP) を開発中である. 左心補助におて心筋回復を期待する場合, 至適脱血部位は左房か左室かが重要な課題である. 今回, 成羊5頭を用い, 左房と左室の脱血部位の検討をMSCPによる左心補助にて行った. 心筋酸素消費量 (MVO2) を算出し, 左室にコンダクタンスカテーテルとミラーカテーテルを挿入し, 左室圧容積曲線を得, 補助流量を変化させ, 脱血部位を変更し比較検討した.左室の外仕事量は, 50, 75%補助では左房脱血のほうが左室脱血よりも有意に少ないが, 100%補助では左室脱血の方がより減少した. MVO2は両者とも補助の増加とともに減少し, 100%補助では左室脱血の方が有意に低値を示した. MSCPの左心補助では, 左房, 左室脱血ともにほぼ同等のMVO2減少効果があるが, 100%補助において左室脱血の方がMVO2は有意に低値を示し, 有用である.
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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