人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
Print ISSN : 0300-0818
ISSN-L : 0300-0818
医療用具の使用状況
IABPバルーンの使用におけるヒューマン・エラーと不具合
冨澤 康子鈴木 進遠山 範康岡本 美樹平山 芽衣菊地 千鶴男田中 佐登司西田 博遠藤 真弘小柳 仁
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 28 巻 2 号 p. 566-569

詳細
抄録

医療用具は高度・多様化され, その使用に際し事前に用具の扱いを熟知し適正に使用せねばならない. 無駄のない良い医療を目的にヒューマン・エラーおよび不具合をIABPのバルーンにおいて検討した. 当研究所人工心肺室で管理した1137個について, われわれの反省すべきヒューマン・エラーおよび製造者の改善すべき器具の不具合を使用記録から抽出し, 対象とした. 問題があったのは114個. ヒューマン・エラー: (1) 挿入時の器具の不潔17個, (2) 静脈内挿入6例, (3) 医師の判断に問題, (4) 未熟な手技, (5) 患者管理に問題. 不具合: (1) バルーンの挿入不可. (2) バルーンリーク- 挿入1時間以内3個, 1週間以内7個, 1カ月以内2個, 他2例の計14個. 1時間以上挿入した後にバルーンリークの起こった11例のうち6例は退院が可能であった. 医療用具, とくに長期植込み型人工臓器ではヒュ-マン・エラーは重要であるが無視されてきた. しかし, 無駄のない安全な良い医療を目指すには用具のデザイン, 使用者への教育を含め, 医療従事者と製造・販売者の情報の交換が不可欠であることが示唆された.

著者関連情報
© 一般社団法人 日本人工臓器学会
前の記事
feedback
Top