抄録
逆浸透 (以下RO) 装置及び供給内の停滞によるエンドトキシン (以下ET) 汚染を最小にするため, RO処理水が全ての工程で停滞しない24時間再循環方式の新水処理システムを考案した。18カ月間無停止運転を行い, 各部位でのET濃度, 耐久性, 経済性について評価した。ET濃度はROモジュール後, ROタンク, 透析室内供給ラインでは5EU/l以下と良好に推移したが, 透析装置供給入口では15カ月後に6EU/lと軽度の上昇を認めた。RO水量は20±1.0l, ROモジュール圧は4.8±0.9kg/cm2, RO出口部の導電度は2.0±0.3μS/cmでROモジュールの劣化は認めなかった。電気使用量は48%増加, 水道使用量は0.6%増加, 消毒剤はゼロ, ETカットフィルターは半減できた。新システムは, 初期抜水や消毒なしで, ET汚染の少ないRO水を長期間維持供給でき, ET減少に有効であった。