抄録
経皮エネルギー伝送システムにおける, 妨害波強度の測定と評価を行った。放射性妨害波の測定は近磁界プローブで行い, VDE-0871規格とあわせるため, 磁界強度を電界強度に変換した。その結果, スイッチング周波数において, 空心型が71.0d BμV/m, 体外結合型が53.4d BμV/mであり, 空心型はVDE-0871規格を0.9d BμV/m越えた。電流共振型スイッチング回路を用いることで, 体外結合型トランスは, 第3高調波で13.8d BμV/m, 第5高調波で11.8d BμV/mの低減が確認された。伝導性妨害波は, 両トランスにおいてノイズフィルタとフェライトビーズの挿入により抑制効果が認められたが, 空心型のスイッチング周波数でVDE-0871規格を17.4d BμV越えた。空心型は体動によるコイルのズレで共振状態が崩れると, 10MHz以上で伝導性妨害波の増大が認められた。体外結合型トランスを用いた経皮エネルギー伝送システムは, 電磁環境的に優れていることが確認された。