人工臓器
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人工機械弁機能不全例の検討
松居 喜郎宮武 司八田 英一郎国原 孝西部 俊哉椎谷 紀彦村下 十志文安田 慶秀
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2000 年 29 巻 2 号 p. 390-393

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抄録

SJM弁の3例, Omniscience弁の4例に遠隔期機能不全のため再手術を施行した。年齢は34~68歳, 男性3例, 女性4例で, 1例を除き全例心房細動を有していた。Omniscience弁は初回一再手術期間はM弁位で60±33カ月の再手術時23~55度の開放制限があった。A弁位の1例は187カ月後の再手術時30度の開放角であった。SJM弁ではM弁位の1例は手術62カ月後に一葉が完全閉鎖。A弁位の1例は手術219カ月後に圧較差が55mmHgとなった。摘出したOmniscience弁はhingeの部位に小さなpannusが入り込み開放制限を起こしていた。SJM弁では, M弁位の1例は心房側で後尖側の一葉がpannusで覆われ固定されていた。A弁位の1例は左室側にpannusが張り出し弁口を閉塞していた。今後術後追跡期間の延長に伴い, 同様の機能不全の可能性があり注意を要する。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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