抄録
舞鶴湾のアキヨレモク群落に4㎡の永久コドラートを設定し,その中の個体を識別 し,本種群落の動態(密度や全長組成の変化,加入や死亡)を52ヵ月にわたって調べた。個体密度は調査期間中に10~30個体/㎡で変動した。月間死亡率は,台風時の26%が最高であっ たがそれ以外では15%未満であった。また,特定の時期に死亡が増加する傾向はなかった。 幼体は秋から冬にかけて発生し,その個体数は年変動が大きく,まったく出現しない年から 最大で50.3個体/㎡も出現した年があった。幼体が多く出現した後には,群落の個体密度が増加した。当歳個体のうち半数以上は成熟可能なサイズに達していた。