抄録
北海道北部において最も重要な海藻資源であるリシリコンブの寿命は2年であり,2年目の藻
体だけが漁獲の対象となっている。1989年~2013年までの水温情報と北海道北部のリシリコンブ
漁獲統計情報は,水温推移は上昇傾向で漁獲量は減少傾向を示した。水温と漁獲量の相関を解析
したところ,相関があったのは漁獲前年の9~12月だけであり,この期間の水温が高いと翌年の
コンブ漁獲量が減少する傾向があった。なお,この時期は1年目のコンブ藻体が2年目に再成長
する時期であり,2年目への移行率の低下がコンブ漁獲量減少と関係していることが示唆された。