抄録
陸生ラン藻イシクラゲ(Nostoc commune)は高濃度の放射性物質を蓄積することが知られて いるが,その蓄積機構は明らかにされていない。本研究では,イシクラゲにおけるストロンチ ウムおよびセシウムの局在性を分析走査型電子顕微鏡によって解析した。イシクラゲは塩化セ シウムあるいは塩化ストロンチウムを添加した化学合成液体培地で培養した。その結果,イシ クラゲは多量のストロンチウムおよびセシウムを吸収したが,数珠状に連なった細胞には収縮 が観察された。また,エネルギー分散型エックス線分析の結果,ストロンチウムおよびセシウ ムは細胞および細胞外基質の両方で検出された。これらの結果から,イシクラゲがストロンチ ウムおよびセシウムを細胞および細胞外基質の両方で吸収・蓄積していることが示唆された。