芸術学論集
Online ISSN : 2435-7227
ユーザビリティデザインとインストラクショナルデザイン評価によるOCWのデザイン原則提案
王 宛奕田中 佐代子
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2023 年 4 巻 p. 1-10

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抄録

OCW(Open Course Ware)を中心としたオンライン学習サイトの利用状況と利用した印象を明らかにし、これから到来する新時代にも適用できる、汎用性のあるデザイン原則を提案することが本研究の目的である。研究方法としては、ユーザビリティデザインとインストラクショナルデザインの2側面から調査した。はじめにOCWを中心としたオンライン学習サイトのためのデザイン評価項目を2側面別に制定した。次に国内外で認知度の高い3つのOCW1つのMOOCを事例として、2側面別に観察調査、質問紙調査等を実施した。これらの結果を分析・考察し、以下のデザイン原則を提案した。

■ホームページ:1)親しみやすいキービジュアルになるよう表現を工夫する。2)ナビゲーションの開始位置は上部に配置して目立たせ、ナビゲーション経路を1つだけにする。

■探索ページ:探索ページレイアウトを1つだけにし、絞り込みながら講義情報を確認できるようにする。

■学習ページ:1)講義動画ページで、全ての関連する学習情報の提供状況が、一覧できるようにする。2)講義動画の「基本情報」(タイトル、学習目標、学習時間等)を把握しやすくし、学習前に確認できるようにする。3)プロフィールや顔写真、SNS等、教員に関する豊富な情報を提供する。4SNS等コミュニケーションの場の活用を周知するための情報をわかりやすく示す。5)宿題や回答例等、学習情報の提供状況の有無を明示する。6)多様な教材(動画、スライド、参考書籍等)が選択でき、音声を補助する字幕も表示できるとよい。また「参加・協力・評価」に関する学習情報の有用性についての意識を高めること、学習者による評価方法は検討する必要があることも明らかになった。

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